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コラム

第20回「物件調査編その3(公法上の規制)」

経済レポート2089号[平成17年11月22日号]掲載

 不動産は様々な法律によって規制があり、どのような規制を受けるのかの調査は不可欠なものです。

工業専用地域では住宅は建てられない。

第一種低層住居専用地域では病院は建てられない。

防火地域に入っているので一定規模以上の建物を建築する場合には耐火建築物(鉄筋コンクリート造等)にしなければならない。

対象不動産の建ぺい率はこの地域で定められた60%を超えてはならない。

農用地区域なので農業用途以外への転換が原則として禁止される。

保安林に指定されており、立木の代採が制限される。

都市計画道路の予定があり、建築が制限される。

 上記はほんの一例ですが、建築可能な建物の用途、大きさ、形等が違ってくる、売買そのものが制限されるなど、規制は複雑多岐にわたり、その内容によって不動産の価格も大きく左右されます。本稿では、全ての公法上の規制をとりあげることは不可能なため、最も基本的かつ重要な都市計画法の基本的な枠組について概説することとします。

  1. 都市計画法とは
      都市計画法は計画的な都市づくりを進めるための基本法であり、土地利用に関する枠組を定める法律です。この法律で定める市街化区域、用途地域等の区分は建築基準法等の他の関係諸法律と一体となってその機能を発揮します。
  2. 都市計画区域
      都市計画を定めるエリア、すなわち一体の都市として総合的に整備し、開発し、保全する必要があるとして指定された区域を都市計画区域といいます。この指定によって日本の全国土は都市計画区域内の土地とこれ以外の土地に大きく区分されます。
  3. 区域区分(市街化区域、市街化調整区域)
      次に、都市計画区域は原則として市街地として整備を図るための市街化区域と市街化を抑制すべき市街化調整区域に区分されます(これを線引きともいいます)。これは、市街化の行われる範囲を限定することによって、無秩序な市街化を防止するためです。つまり、市街化区域の範囲を定めて、その区域内の市街化が進んだら、順次、市街化調整区域の一部を市街化区域に編入(線引きの見直しという)して、計画的に市街化を進めていきます。
      また、都市計画区域内であっても、両者の区分を行わない場合もあり、これを非線引き区域と呼びます。
      なお、市街化調整区域内においては、開発行為や建物の建築にあたって厳しい制限が課せられますので注意が必要です。
  4. 準都市計画区域
      都市計画区域外であっても、多くの建築物の建築等が現に行われていたり、または将来行われると見込まれるところで、そのまま放置すれば、将来の街づくりの障害となるおそれがある区域を、市町村が準都市計画区域として指定するもので、必要な都市計画が定められます。これは平成12年の改正により新しく創設された制度で、それまで野放しの状態にあった都市計画区域外の区域について土地利用規制を行うことができることとなりました。
  5. 地域地区
      用途地域が基本的なもので、一定の住宅地域内には工場は建てられない等の建築制限を加えながら、都市環境を整備するために指定されます。市街化区域内では必ず定められ、必要に応じて非線引きの都市計画区域内でも定めることができます。住居系、商業系、工業系の3種類に大別され、さらに12の地域に区分されます(第一種低層住居専用地域等)。
      また、用途地域以外の地域地区には、高度利用地区、風致地区等があり、細かな運用が行われています。
以上
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